水産海洋学会創立50周年記念大会・記念事業概要
 
 

 1962年に水産海洋研究会として発足した水産海洋学会は,2012年に50周年の記念の年を迎えます.25周年および40周年の際には,国際シンポジウムを開催し,世界の水産海洋学研究を牽引してきた水産海洋学会の役割を国内外に強く印象づけることができました.その過程で,国際学術誌としてFisheries Oceanographyを発刊し,常にimpact factorが2.5前後を維持できるまでにレベルを向上させたことは,国際的に高く評価のできる本学会の実績といえます.一方,国内誌である水産海洋研究を定期的に刊行し,地域研究集会を主催するだけでなく研究発表大会を毎年実施して,学会として研究成果発表の場を提供してきました.数十年の歴史ある地域研究集会が多数開催されており,研究発表大会も例年100件を超える発表が続いているなど,順調に学会運営がなされています.

 そこで,今年の研究発表大会を創立50周年記念大会と位置付けて,それと並行して創立50周年記念事業を執り行うことになりました.この記念事業は,シンポジウム,アーカイブズ,功績者表彰,出版,PICESセッションから構成します.シンポジウム,アーカイブズ,功績者表彰は,創立50周年記念大会の開催期間中に実施します.概要は以下のとおりですが,詳細については、本誌「水産海洋研究」の8月号およびウェブページをご覧ください.

水産海洋学会創立50周年記念大会

  • 大会組織
      渡邊良朗大会委員長,木村伸吾実行委員長,平松一彦事務局長
  • 開催場所・開催日程
      東京大学伊藤国際学術研究センター(赤門横の学士会館分館跡)
      2012年11月15日(木)13時 - 18日(日)15時

創立50周年記念シンポジウム「未来のためにー地域が抱える課題の検証ー」
水産海洋学会が得意としてきた漁業現場と密接に接しながら水試,水研,民間,および大学の研究者が横に連携してボトムアップで問題提起ができる研究スタイルの継承を目指し,水産海洋学会として解決すべき課題の方向性を示す.

アーカイブズ
学会の創立経緯・歴史,地域研究集会の成果などを網羅的にたどるだけでなく,水産海洋学の歴史において重要であった研究課題やイベントをその研究に携わった研究者の活動をポスター展示することで振り返る.

功績者表彰
学会創立以来の水産海洋学および水産海洋学会の発展に功績のあった会員を複数表彰する.

出版
水産海洋学の到達点を総括して今後の研究を展望することで,広く一般社会に水産海洋学会のプレゼンスを示す.高等教育課程における教科書としても使用可能なものとする.

PICESセッション
2012年10月に広島で開催されるPICESにおいて,セッション“Effects of natural and artificial calamities on marine ecosystems and the scheme for their mitigation”を開催する.