2005/06年の厳冬の実態と北海道海域における海洋環境と水産資源への影響
日 時: 2006年8月31日(木) 9:30-17:30
会 場: 釧路博物館講堂 〒085-0822 釧路市春湖台1-7
共 催: 水産総合研究センター北海道区水産研究所・水産海洋学会
後 援: 釧路市
コンビ−ナ−: 奥田邦明(北水研)・桜井泰憲(北大水産)・丸山秀佳(釧路水試)・柏井 誠(東京農大網走)・谷津明彦(北水研)
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開  会:
9:30-9:35
挨  拶:渡邊良朗(水産海洋学会会長)
9:35-9:45
趣旨説明:谷津明彦(北水研)
9:45-10:00
第1部 海洋環境の長期変動における2005/06冬季の位置づけ 座長:奥田邦明
(1) 2005/06年冬季の天候と気候の数十年スケール変動
花輪公雄(東北大院理)
10:00-10:30
(2) 長期時系列から見た2005/06年の親潮の状況
伊藤進一・清水勇吾・筧茂穂・平井光行(東北水研)
10:30-11:00
(3) 北海道周辺の低次生産の長期変動から見た2005/06年冬期と
2006春期の位置づけ
小埜恒夫(北水研)
11:00-11:30
第2部 北海道沿岸卓越種への影響 座長:丸山秀佳
(4) 亜寒帯域の物理環境の長期変動とさけ・ます資源との関係
東屋知範(北水研)
11:30-12:00
昼食 12:00-13:00
(5) サケ・マス資源の変動と沿岸水温-オホーツク海沿岸を事例として
永田光博(道水産孵化場道東支場)
13:00-13:30
(6) 利尻島,礼文島におけるリシリコンブの豊凶と海洋条件
西田芳則(稚内水試)
13:30-14:00
第3部 北海道沖合卓越種への影響(その1) 座長:谷津明彦
(7) 大型クラゲの出現傾向について
飯泉 仁(日水研)
14:00-14:30
(8) スケトウダラ資源の長期変動との関係
桜井泰憲(北大院水)・本田聡・船本鉄一郎・八吹圭三(北水研)
14:30-15:00
休憩 15:00-15:15
(9) スルメイカ資源の長期変動との関係
森 賢(北水研)・木所英明(日水研)・桜井泰憲(北大院水)
15:15-15:45
第4部 北海道沖合卓越種への影響(その2) 座長:桜井泰憲
(10) サンマ資源の長期変動との関係
上野康弘(東北水研八戸)
15:45-16:15
(11) 近年,急激に増加した日本海ニシン資源と環境変動
石田良太郎(釧路水試)・高柳志朗(稚内水試)・石野健吾・瀧谷明朗・
田中伊織(道中央水試)・渡邊良朗(東大海洋研)
16:15-16:45
総合討論  座長:柏井誠 16:45-17:15
開  会
開催趣旨:
 2005年12月は20年ぶりの厳冬となり,日本各地で豪雪記録が更新された.その原因は北極振動や偏西風の蛇行と言われている.
 北海道周辺の水温は2005年末までの正偏差から2006年に入って急激に負偏差に転じた.特に,長期にわたり定置観測がなされている余市前浜では2月中旬に「非常に低い」(25年に1回起こる確率以下)水温を記録した.また,2月には親潮第一分枝の南限がかなり南偏した(37°50'N).このような厳冬が北海道周辺の海洋生態系や水産資源にどのような影響を及ぼすのだろうか?
 直近の気候レジームシフトといわれる1998年前後に漁獲量が一時的に激減したスルメイカやサンマは,寿命が1年あるいは2年であり,環境変動に敏感である.これらの魚種に加えてニシンやスケトウダラなどの2005/2006年の厳冬期に生まれた加入群の情報も8月末には得られる予定である.
 一方,スケトウダラやニシンの漁獲量は長年にわたり減少を続け,大型クラゲの来遊が近年顕著となっている.そこで,本シンポジウムでは厳冬の実態を踏まえて,その影響とメカニズムを探ると共に,モニタリングの重要性や連携のあり方について討論を行う.