1997-2009年の記録一覧
水産海洋シンポジウム
The Japanese Society of Fisheries Oceanography Symposium



「生態系アプローチと水産資源の持続的利用を考える」
 
共 催: 水産海洋学会、日本海洋学会
後 援: 日本水産学会
日 時: 2009年4月5日(日)9:30〜16:30
場 所: 東京大学本郷キャンパス 小柴記念ホール(理学部1号館2階)
コンビーナー:  桜井泰憲(北大院水産)・牧野光琢(中央水研)・谷津明彦(西水研)
プログラム
 
 
挨  拶: 水産海洋学会会長 渡邊良朗(東大海洋研)
9:30-9:35
趣旨説明: 桜井泰憲(北大院水産)
9:35-9:40
I. 生態系アプローチの概要
座長:桜井泰憲(北大院水産)
1 生態系アプローチEcosystem Approachとは何か?
松田裕之(横国大環境)
9:40-10:00
2 生態系サービスと水産業
清野聡子(東大院総合文化)
10:00-10:20
3 Ecosystem Based Management とEcosystem approachをモデルで考える
岸 道郎(北大院水産)
10:20-10:40
4 漁業への生態系アプローチと生態系ベース管理の概要
谷津明彦(西水研)・牧野光琢(中央水研)
10:40-11:00
II. 生態系アプローチの主な要素と漁業
座長:牧野光琢(中央水研)
5 順応的な漁業管理
勝川俊雄(三重大生物資源)
11:00-11:20
6 環境変動と不確実性に対応する漁業管理
山川 卓(東大院農)
11:20-11:40
7 生物多様性の保全と海洋保護区
加々美康彦(鳥取環境大)
11:40-12:00
昼食休憩: 12:00-13:45
(水産海洋学会 幹事会 12:15-13:30)
水産海洋学会 宇田賞・論文賞授賞式
13:45-14:00
III. 水産海洋分野における事例研究
座長:谷津明彦(西水研)
8 東アジアにおける大型クラゲ大量出現の現状と国際的な取り組み
飯泉 仁(日水研)・秋山秀樹(西水研)・大型クラゲ国際共同調査チーム
14:00-14:25
9 瀬戸内海における環境変動の現状と関連する取り組み
樽谷賢治(瀬戸内水研)・中嶋昌紀(大阪水総セ)・原田和弘(兵庫水技セ)・工藤孝也(広島水海技セ)・和西昭仁(山口水研セ内海)
14:25-14:50
10 国内の自然公園内の海洋生態系をベースとする海域保全
桜井泰憲(北大院水産)
15:10-15:35
11 「我が国における総合的な水産資源・漁業の管理のあり方」取り纏めから
牧野光琢(中央水研)
15:35-16:00
IV. 総合討論 座長:桜井泰憲(北大院水産)・牧野光琢(中央水研)・谷津明彦(西水研) 16:00-16:30
水産海洋学会 2009年度通常総会 16:40-17:30
開催趣旨:
 近年,水産資源や漁業管理のあり方に対して生態系あるいは生物多様性の観点から見直す動きが盛んになっている.この背景には,地球温暖化に象徴される人間活動に由来する「環境危機」の時代に入ったとの認識がある.また,生態系や漁業の持つ多面的機能も近年注目され,漁業は生態系サービスの一部と捉えられている.さらに,生態系に関する調査研究や数値モデルも近年急速に発展してきた.このように,持続的な漁業のためにも生物多様性など環境保全の重要性の認識が高まっており,漁業管理にもこれらの要素を考慮する時代になった.生態系に配慮した持続的な漁業が確立されれば,漁業は健全な生態系の証左としても位置付けることができるだろう.本シンポジウムでは,これまで日本ではほとんど議論されてこなかった「水産業に対する生態系アプローチや生態系ベース管理の考え方」を紹介し,現在の我が国周辺の問題点と先進的取り組み事例を探り,今後の水産資源の持続的利用に必要な研究と政策について討論を行う.