第32回「相模湾の環境保全と水産振興」シンポジウム
−相模湾および周辺海域における急潮現象の特徴・予報および定置網被害防災対策について−
共 催: 水産海洋学会、(財)相模湾水産振興事業団、小田原市
日 時: 2008年10月30日(木) 09:30〜15:10
会 場: 小田原市生涯学習センター「けやき」(旧中央公民館)ホール
コンビ−ナ−: 平野 敏行(東京大学名誉教授)、長谷川 保(神奈川水技セ)、平元 貢 ((財)相模湾水産振興事業団)、岩田 静夫(JAFIC)


 
開会のことば: 篠田 厚 ((財)相模湾水産振興事業団)
09:30〜10:00
挨拶:渡邊良朗(水産海洋学会長)・加藤 憲一(小田原市長)・武井 正 ((財)相模湾水産振興事業団)
基調講演
座長:鈴木 秀弥(元水工研)・岩田 静夫(JAFIC)
「沿岸急潮とはどのような現象であるか」
松山 優治(東京海洋大)
10:00〜10:50
話 題
1.東海海域沿岸で発生する急潮の特徴と海況のモニタリング
座長:杉浦仁治(茨城水試)
(1) 房総沿岸の急潮
石井 光廣(千葉水総研セ)・岡本 隆(千葉館山水産事務所)
10:50〜11:10
(2) 駿河湾の急潮
萩原 快次・長谷川 雅俊(静岡水技研)
11:10〜11:30
昼 食(11:30〜12:30)
座長:長谷川 保(神奈川水技セ)・高田 啓一郎(神奈川水技セ相模湾試)
(3) 熊野灘の急潮
久野 正博(三重水研)・竹内 淳一(和歌山農林水総研セ)
12:30〜13:00
(4) 相模湾の急潮予報とモニタリングについて
清水 顕太郎(神奈川水技セ)・岩田 静夫(JAFIC)
13:00〜13:20
2.急潮・巨大波浪に対する防災対策について
石戸谷 博範(神奈川水技セ相模湾)
13:20〜13:50
3.急潮に対する定置網漁業者の意見
13:50〜14:20
(1)千葉県:坂本 年壱(鴨川市漁協定置網部 漁労長)
(2)神奈川県:石垣 誠 (小田原市漁協定置部 大船頭)
(3)静岡県:長谷川 航((有)長谷川漁業践団 代表)
4.総合討論
平野 敏行(東京大学名誉教授)
14:20〜15:10
閉会のことば 杉山 武((財)相模湾水産振興事業団)
開催趣旨:
 第31回シンポジウムにおいて,沿岸域のキイエリアにテレメータ方式の観測ブイなどを展開し,「関東・東海海況速報」で捉えられる海況との関わりを明らかにするようなモニタリングシステムの構築などが議論された.このシンポジウムで報告された「東海海域海況速報」は,1都5県水産試験研究機関により2008年4月から正式に作成・提供された.提供開始間もない4月中旬に黒潮小規模蛇行の東進にともない駿河湾に黒潮系暖水が流入し,湾奥の定置網に大被害を引き起こした.この間の黒潮流路変動と沿岸への暖水進入状況が,「東海海域海況速報」により鮮明に捉えられ,この速報の有効性が検証された.定置網漁業は,東海海域の沿岸漁業の基幹漁業であり,急潮や台風・低気圧の通過にともなう気象擾乱による被害防止が緊急の課題である.そこで,今回のシンポジウムでは,相模湾および東海沿岸域にどのような急潮が発生するか,どのような急潮現象のときに被害が発生するか,急潮を予報するためにはどのようなモニタリングシステムを構築する必要があるか,さらに急潮に対する被害を最小限に食い止めるためにはどのような対策を講ずればよいか,などについて議論する.