第3回伊勢・三河湾の環境と漁業を考える
— 豊かな海と魅力ある漁業の再生を目指して —
日 時: 2007年10月27日(土)13:00〜16:50(受付12:30〜)
会 場: 愛知県水産会館(名古屋市中区丸の内三丁目4番31号)
共 催: 水産海洋学会、愛知県水産試験場、三重県科学技術振興センター水産研究部
後 援: 愛知県漁業協同組合連合会、三重県漁業協同組合連合会
コンビ−ナ−: 中村元彦・岡本俊治(愛知水試漁生研)、黒田伸郎(知多農林水事)、神谷直明・水野知巳(三重科技セ水産鈴鹿)


 
挨  拶: 水産海洋学会長 渡邊良朗(東大海洋研)
13:00〜13:05
趣旨説明: コンビーナー  中村元彦(愛知水試漁生研)
13:05〜13:10
1.ノリ養殖をめぐる漁場環境とノリの色落ち
座長:黒田伸郎(知多農林水事)
1)伊勢・三河湾における植物プランクトン、栄養塩などの漁場環境
大橋昭彦(愛知水試)
13:10〜13:40
2)伊勢・三河湾におけるノリ養殖の現状と課題
服部克也(愛知水試漁生研)
13:40〜14:10
3)瀬戸内海におけるノリ色落ちの現状と対策
二羽恭介(兵庫水技セ)
14:10〜14:40
(休憩) 14:40〜14:50
2.アサリなどの貝類資源の現状と展望
座長:神谷直明(三重科技セ水産鈴鹿)
4)伊勢湾における二枚貝類漁業の変遷・現状と今後の展望
水野知巳(三重科技セ水産鈴鹿)
14:50〜15:20
5)三河湾における二枚貝類漁業の変遷・現状と今後の展望
岡本俊治(愛知水試漁生研)
15:20〜15:50
3.ノリとアサリ漁場における窒素・リンの循環
6)ノリやアサリの安定生産を実現するための漁場環境
児玉真史(中央水研)
15:50〜16:20
総合討論 16:20〜16:50
座長:中村元彦(愛知水試漁生研)
開催趣旨:
 伊勢・三河湾,瀬戸内海などの内湾海域においては,ノリ養殖業と貝類漁業は最も重要な産業であるが,近年,ノリの色落ちやアサリを始めとした二枚貝の減少など不安定な生産状況が続き,その原因解明と対策が喫緊の課題となっている.ノリや二枚貝の生産量は海域の窒素・リンの物質循環と密接な関係をもっており,特に干潟・浅場における水質浄化の役割を担うアサリなどの二枚貝は,内湾の漁場環境の変化や今後の漁業生産の見通しを立てる上で鍵となる水産生物と言える.
 窒素・リンの総量規制や下水処理場の整備などに伴う陸域からの栄養塩流入量の減少によってノリの色落ちが生じているとみられる海域がある一方,大規模な赤潮による栄養塩の消費が色落ちを引き起こしているとみられる海域もあり,このような相違は栄養塩の供給・消費にかかわる海域特性の違いによると考えられる.
 今回の地域研究集会では,内湾の環境と漁業を考える上で重要なノリと二枚貝の生産量を左右する物質循環に注目し,漁場ごとの海域特性の違いについて整理することにより安定生産に向けた課題を明らかにし,今後の対策を検討したい.